即戦力の磨き方 大前研一
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/04
- メディア: 新書
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序章 下克上の時代
・アメリカのビジネスパーソンの常識は、20代のうちにMBAをとって、エグゼプティブが集まるパーティに参加し、自分を売り込むこと。
・30代での完成を念頭に置いている
・国の反映を考えるなら人材をどうやったら多く輩出できるかを考えるべき。21世紀はパーソンスペシフィック(人材次第)の時代
・サイバー経済の感覚が理解できない起業は淘汰される運命にある
・スペシャリストでもゼネラリストでもない、生き残れるのは「プロフェッショナル」だけ
・専門的なスキルというのは、ルールが決まっているから、コンピュータや他の人間に簡単に置き換えができる。
・スペシャリストやゼネラリストというのは環境や前提条件が変わってしまうとその能力はとたんに使い物にならなくなってしまう。
・プロフェッショナルは違う。全く新しい環境に放り出されても洞察力と、判断力を発揮し、進むべき方向を見つけ、自分で道を切り開く逞しさがある
・野茂はスペシャリスト。イチロー、松井はプロフェッショナル。特に松井は、ホームランバッターという看板を下ろし、打率と打点を稼げる打者に変身した
・プロフェッショナルへの鍵
「語学力」
「財務力」
「問題解決力」
第一章 「語学力」を磨く
・21世紀はボーダレス
・相手の言葉をいちいち頭で翻訳していたらディスカッションにもならない
・とりあえずビジネスで支障のない程度の英語力があればなんとかなる
・英語耳を徹底的に鍛える
・日本人はすぐに正しい発音や意味を頭で考えたくなる
第二章 「財務力」を磨く
・日本には経理があっても、財務がない
・アメリカ人は、「お前の正味価値は?」と聞かれたら、即座にバランスシートで答えられる
・家計簿は、B/S ではなく、 P/L である。お金の出入りには関心があるが、資産管理や資産を殖やすことを苦手とする
・始めるなら株が良い。
①株の性格と常識を勉強する
②身近に株を一緒に勉強する仲間をつくる
③世界を観る
・しくじったときに再起不能にならないように、小額から分散して始める
第三章 「問題解決力」を磨く
・日本人は、答えが決まっていないものを考える思考回路を持ち合わせていない
・前例や過去の成功体験に無理矢理当てはめて解こうとするし、それが役に立たないと「思いつき」にはしる
・問題解決の第一歩は「問題は何か」を自分で見つけること
・問題の本質を自問する「質問する力」が不可欠
・なぜ?をくりかえして仮説を立てる。仮説を立てたら検証する。これを繰り返す
・答えを知っているかどうかではなく、常にこういうプロセスで問題解決にあたれるのが、問題解決力があるということ
・結論というのは「仮説→検証」の繰り返しを経て、最後に到達するものである。
・21世紀は、前例の通用しないところでもひるまずに自分で問いをたてて、答えが出せる能力をもった個人の時代
第四章 「勉強法」を身につける
・直接目の前のビジネスにつながるもの以外にも、毎年一つテーマを決めて、集中的に勉強している
・その分野で専門家をしのぐ本が書けるようになるくらい
・勉強とは、「答えのない問いを考えられる回路」を頭の中に作る作業
・ファイティングポーズをとりつづけろ
第五章 「会議術」を身につける
・マッキンゼーの会議では、発言しない人は批判の対象となる。事実の裏付けのないことも批判の対象。
・ディスカッションというのは相手を打ち負かすためのものではなく、あくまで組織の直面している問題の解決策をみつけるのが目的
・常にロジカルに考え、ロジカルに話す
・これまでのやり方しか知らない多くの人間は、使い物にならなくなる。「誰かなんとかできる奴はいないか」と組織の上から人材を探す針が刺さってきたとき、
こつんとあたる石になっていれば良い
・頼まれもしないのに、「会社を救う方策」を考え、自分を鍛えながら出番がくるのをじっと待っていれば良い。即戦力というのは実はいつでも戦闘できる能力を常日頃から
磨いていると、結果としてついてくるものだ
最終章 人生設計は自分でやるしかない
・まず、動いてみてそこから修正を繰り返し、自分なりの方法論を作っていく。これに対して自分の頭で考えないで誰かにうまく行くやり方を聞こう、ノウハウを頂戴しよう、
などという不精なことをやっていたら、正解のない新大陸では負け組への道をまっしぐらだ
・「名札」と「値札」を手に入れよ
・20代のうちは会社から与えられた目標をこなしていけば、自然と力はついてくる。そうしていれば35歳くらいになるころには、どんな業種や職種でも会社で学べることは
すべて憶えてしまう。そこからは個人の努力次第。
・社内営業しかやってこなかった人間の行き場なんてない
・だからこそ、上の世代では普通だったこのスタイルとは決別し、代わりに自分で「値札」と「名札」を手に入れる
・「値札」とは市場価値である
・「名札」とは、お前はいったい何ができるんだということ。組織の実績ではなく、個人で生み出した業績を言えて初めて「名札」といえる
・自分はこれで勝負できるということを決めておくこと
・人間には、自分の人生を賭ける転機が必ずやってくる。そのとき、既に家や車に全額賭けてしまった人は自らチャンスを捨てている