「優柔決断」のすすめ 古田敦也
- 作者: 古田敦也
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/10/16
- メディア: 新書
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はじめに 成功する人は優柔である
・最近の若手選手は、情報過多で頭でっかちになっていて、経験する大切さを知らない。経験する前から頭の中で結論が出来上がっていて、それが固定観念になっている
・開き直るとは、前向きにチャレンジするということ。投げやりとは違う
・柔軟に情報を集めて分析、研究するなど、常日頃の準備はしっかりとした上で、最後の最後、ここぞというときには思い切って決断する
→優柔決断
第1章 「優柔決断」の思考法
◆あらゆるところから情報を引っ張り出す
・イチローでさえ、振り子打法を捨ててより効果的な打法へシフトした
・情報を集めるときはとにかく間口を広げておくこと。どんなことでもまずは試してみる
◆現在の環境にグチを言わない
・監督が方針を打ち立てたら、仮に内心「えー?」と思ってもその方針に従うべき。でなければチームプレーはできないし、それが人間としてのルール
・どんな状況であろうと、それが自分に与えられた環境なら、否定するのではなく、まずは謙虚にすべてを肯定してみる
◆ブレることを恐れない
・初志貫徹という言葉にこだわると視野が狭くなる
・進化しようと思ったら必ず変化しろ
・変化すればいいという訳ではない。大切なのは進化を目指してトライしたというプロセス
◆実際にやってみて自分のものにする
・振り子打法の練習をした。どんなピッチャーが相手でも同じバットで同じ構えで打てばいいとは考えていない。
・どう来るか予測の突かないバッターでありたい。そのためには自分が使いこなせる技術はなるべく多く持っていた方がいい
・武器として使えるレベルにまで持っていくにはやはり実際にやってみるしかない
◆頭の中にファイルを作る
・本当にピンチになったときは、いろんな知識が役立つんだ。だから勉強しろ
・頭の中にテーマをもったファイルを作り、その中に関連するカードを入れていく
・この状況のときはこのファイル。といきなりカードを探すのではなく、まずはファイルを探す
◆2年前の情報はさっと捨てる
・古い情報など当てにならない。プロの選手は2年間で見違えるように成長する。でなければレギュラーになど慣れない
◆成功イメージを描きすぎない
・結果が大事だと思うからこそ、「いい結果がでなかったらどうしよう」と緊張してしまう
・いい結果が欲しければ、結果を気にしない
・結果を残すためには、遠くにあるゴールばかり見るのではなく、その目標から逆算していま何をするべきかを考え、積み重ねていくしかない
・イメージさえすれば自動的に成功する訳ではない。そこに到達するまでに自分がなにをするべきかが見えてくる。これを明確にするためにゴールを決める
◆即決グセをつける
・普段の何気ない選択において、決断する癖をつけておく
・仕事には優先順位をつけず、どんどん処理していく。締め切りは短い方が良い
◆最後は腹をくくる
・せっかく準備していおきながら、いざというときに躊躇するのではまったくいみがない
・結局は、準備の質と決断力の強さは比例する
第2章 力の源は「負けたくない」という気持ち
・上司に選ばれなければ意味がない。自分がいくらプロニになりたいと思っていても、きてくれと言われる選手にならない限りプロにはいけない
・監督によって「こいつをつかいたい」という基準はことなるが、そのうようなことは、日々の練習で指導されたり注意されたりする中で、言葉の一つ一つを聞いていれば、しだいにわかってくる。それらをしっかりメモして理解し、受け入れる
・球界一バットを変えた。自分の状態に応じていろいろなバットを試した
・○○流がないのが古田流。これが正しいという答えがなかった。つねにもうちょっと上があるんじゃないかなと考えてきた
・実際、準備がすべて役立つ保証などない。ただ、できるはずの準備を怠ったせいで負けることほど悔しいことはない。
第3章 意外性にもワケがある
・とりあえずトライしてみる。本番で使わなくてもいい。その練習過程で得たものが自分にとってかけがえのない財産になる
・自分のスタイルはこれ。と頑固になるより、状況に応じて次の手を出せる柔らかな発想。僕はこちらを優先しました
・模倣から始まって、実際に試してみると、メリットもデメリットも分かる。それらのバランスを考慮しながら、果たしてそれが自分に合っているか、自分をいかせることなのかを吟味する。
それを続けていると、最終的にはオリジナルのスタイルが出来上がる
・チームが勝つために、自分は何をするべきか。ホームランを狙うのか、ヒットを狙うのかを決める前に、その点をしっかりと考えておかなければならない
・ノーを言うこともコミュニケーション。サインに対していつもうなずく奴は、ただのイエスマンなのか本当に納得しているのかが分からない。
・違うと思ったら首を振れ。だめだったらちゃんとだめだしするから大丈夫。思い切ってやれ
・短所を改めれば、長所を生かせる場面が増える
第4章 やわらかな組織力
・野村監督 三流:無視 二流:賞賛 一流:非難
・顔いろばかりみてびくびくするより、トップを信じて後は自由に思い切って行動すれば良い
・俺たちがお前たちを育てるんじゃない。お前たちが育つ環境を俺たちが作るんだ
・選手というものは育てるのではなく、育つもの
・精神的にも体力的にもどこかでセーブしながらそれでも毎試合出られる選手が優秀な選手
・80%でいいからそれを毎日続けられるのが最良
・その日できなかったことを悔やんで、ろくに休みも取らず、ただひたすら練習に打ち込む人もいる。体はへとへとになり、悲壮感が漂う表情で次の試合に現れる。
これでは勝てる試合にも勝てない
・問題が起きること自体が問題なのではなく、問題が起きたときにそれを解決できないことが問題。問題が起こることを用心するあまり、自分のやりたいことまで押さえ込んでしまうのが一番良くない
第5章 脳を活かす「優柔決断」の生き方
・その決断が仮に失敗したときでも「まあいいか」と思えるくらいまで考え抜いて準備したかどうか
・普段からいい意味で揺らぐ経験をしていないと、外からシグナルがきたときにそのシグナルに適応できない
・調子が悪いときほど、打ちたくてしょうがない。うまくいかないときほどあがいてしまうものである、そうではなく、じっくりと現状を見極めて「これだ!」というときだけアクションを起こす